『アンナ・フォン・クレーフェの肖像』ホルバイン(子)作

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ドイツ出身、イングランド宮廷で活躍したハンス・ホルバイン(子)。『アンナ・フォン・クレーフェ』、『エラスムス』他を掲載。

『アンナ・フォン・クレーフェの肖像』( Portrait d’Anne de Clèves, reine d’Angleterre, quatrième épouse de Henri VIII ) 1539年頃 ハンス・ホルバイン(子) ルーヴル美術館蔵
『アンナ・フォン・クレーフェの肖像』 1539年頃 ハンス・ホルバイン(子)
目次

ハンス・ホルバイン(子)の作品(リシュリュー翼 809展示室)

※他の美術館に貸し出し中、修復中などで鑑賞できない場合もあります。お出掛けの際は最新情報をご確認ください。

『アンナ・フォン・クレーフェの肖像』 1539年頃

『アンナ・フォン・クレーフェの肖像』( Portrait d’Anne de Clèves, reine d’Angleterre, quatrième épouse de Henri VIII ) 1539年頃 ハンス・ホルバイン(子) ルーヴル美術館蔵
『アンナ・フォン・クレーフェの肖像』 1539年頃 ハンス・ホルバイン(子)

引用元:『アンナ・フォン・クレーフェの肖像』

イングランド王ヘンリー8世の四番目の妃、アンナ・フォン・クレーフェ(英語名アン・オブ・クレーヴズ)の肖像画です。

三番目の妃が亡くなり、新しい妻を求めたヘンリー8世は、ホルバインを派遣してお妃候補の肖像画を描かせました。

ヘンリー8世は肖像画のアンナを気に入り、アンナはクレーフェ公国から嫁いできます。

しかし、ヘンリー8世は「絵と違う!」と激怒。

果たして、ホルバインはアンナを美人に描き過ぎたのでしょうか。

hanna_and_art’s blog の記事実物より美人?『アンナ・フォン・クレーフェの肖像』(ハンス・ホルバイン(子)作)

hanna_and_art’s blog の記事ヘンリー8世妃アン・オブ・クレーヴズ(アンナ・フォン・クレーフェ)が着る1530年代のハイ・ファッション

『エラスムスの肖像』 1523年頃

809展示室

ルーヴル美術館公式サイト:Portrait d’Érasme (1467-1536) écrivant

エラスムスの肖像 1523年頃 ハンス・ホルバイン(子)  ルーヴル美術館蔵
『エラスムスの肖像』 1523年頃 ハンス・ホルバイン(子)

引用元:エラスムスの肖像

ネーデルラントの思想家デジデリウス・エラスムス(Desiderius Erasmus Roterodamus, 1466年10月28日 – 1536年7月12日)の肖像。

エラスムスの主な著作に『痴愚神礼賛』があります。

1526年、ホルバインはエラスムスから紹介状を貰い、トマス・モアを頼ってイングランドに渡りました。

その後イングランド王ヘンリー8世に気に入られたホルバインは、イングラドの宮廷画家となります。

本作はホルバインがまだ20代の頃の作品。

エラスムスが執筆しているのは『聖マルコによる福音書』の論評、壁掛けには架空の動物や花が描かれています。

エラスムスの人柄をしのばせるような横向きの顔ですが、これは真横向きに彫られた古代のメダルの肖像画がヒントになっているそうです。(参考:『マンガでわかるルーヴル美術館の見かた 西洋絵画がもっと愉しくなる!』 誠文堂新光社)

『ニコラス・クラッツァーの肖像』 1528年

ニコラス・クラッツァーの肖像 1528年 ハンス・ホルバイン(子) ルーヴル美術館蔵
『ニコラス・クラッツァーの肖像』 1528年 ハンス・ホルバイン(子)

引用元:ニコラス・クラッツァーの肖像

絵の中にはこのモデルの職業が推測できる小道具が配置されています。

手にしているのは10面体の日時計。

この男性は、ヘンリー8世の宮廷に仕えていたドイツ人天文学者、ニコラス・クラッツァー( Nicholas Kratzer, 1487年? – 1550年)です。

『一生に一度は見たい ルーヴル美術館BEST100』ではこのように解説されています。

一般的には胸像である肖像画に手元まで入れたのは、小道具を描き込むためだ。人物の職業や地位を表すための16世紀的手法である。日時計をつくる道具類の見事な写実性に、画家の技術力が表れている。

大友義博(監修). 2014-10-12. TJMOOK 『一生に一度は見たい ルーヴル美術館BEST100』. 宝島社. p.81.

ミュンヘン出身のクラッツァーはケルン大学、ヴィッテンベルク大学で学んだ後、1516年に渡英。トマス・モアと交流します。

クラッツァーは地図の制作でホルバインと協力し、ホルバインはその返礼にクラッツァーの肖像画(本作)を制作しました。(参考:Wikipedia(Nicholas Kratzer)

『ウィリアム・ウォラムの肖像』 1528年

『ウィリアム・ウォラムの肖像』( Portrait de William Warham (vers 1450 ?-1532), archevêque de Canterbury depuis 1503 et primat d’Angleterre ) 1528年  ハンス・ホルバイン(子) ルーヴル美術館蔵
『ウィリアム・ウォラムの肖像』 1528年  ハンス・ホルバイン(子)

引用元:ウィリアム・ウォラムの肖像

カンタベリー大司教ウィリアム・ウォラム(1450年頃 ‐ 1532年8月22日)。

イングランド王ヘンリー7世の息子アーサーと、カトリック両王の娘キャサリン・オブ・アラゴンの結婚に関わった人物です。

アーサーはヘンリー8世の兄で、次期国王として期待されていましたが、若くして亡くなりました。

1506年、ヘンリー8世は兄嫁だったキャサリンと結婚。

ふたりの結婚式を行ったのがウォラムでした。

『ヘンリー・ワイアット卿の肖像』 1528年

『ヘンリー・ワイアット卿の肖像』( Portrait de Sir Henry Wyatt (vers 1460/1470-1537), d'Allington Castle, conseiller du roi d'Angleterre ) 1528年 ハンス・ホルバイン(子) ルーヴル美術館蔵
『ヘンリー・ワイアット卿の肖像』 1528年 ハンス・ホルバイン(子) ルーヴル美術館蔵

引用元:『ヘンリー・ワイアット卿の肖像』

ヘンリー・ワイアット卿(1460年頃 – 1536年)はイングランド王ヘンリー7世、ヘンリー8世の時代の廷臣、政治家です。

息子は詩人トーマス・ワイアット。

ルーヴル美術館のサイトでは制作年代は「1528年」となっていますが、ワイアット卿最晩年または「1537年」との説もあるようです。

デッサンなど

ルーヴル美術館にはホルバインのデッサンも多数収蔵されています。

エラスムスの手部分のデッサン ハンス・ホルバイン(子)
エラスムスの手部分のデッサン ハンス・ホルバイン(子)

引用元:エラスムスの手部分のデッサン

ルーヴル美術館公式サイト:Trois études de mains pour le portrait d’Erasme

※「作品はグラフィックアーツ相談室にて予約制でご覧いただけます」との記載あり

ルーヴル美術館で観られるホルバイン作品のリスト。展示されていないデッサン他、他の画家の作品も一緒に掲載されています。鑑賞の参考にどうぞ

画家ハンス・ホルバイン(子)( Hans Holbein ( der Jüngere ), 1497年/1498年 – 1543年)

ハンス・ホルバイン(子)自画像 1542年 - 1543年頃 ウフィツィ美術館蔵
ハンス・ホルバイン(子)自画像 1542年 – 1543年頃 ウフィツィ美術館蔵

引用元:ハンス・ホルバイン(子)自画像

ハンス・ホルバイン(子)は1497年末(または1498年初め)、南ドイツのアウクスブルクで生まれました。

1515年頃スイスのバーゼル、ルツェルンで画家として活動しています。

1526年頃渡英し、1536年ヘンリー8世の宮廷画家に。

1543年、ロンドンにてペストで亡くなりました。

ホルバインによるお見合い肖像画『デンマークのクリスティーナ、ミラノ公妃』

英国、ロンドンにある『デンマークのクリスティーナ』もヘンリー8世に向けた「お見合い肖像画」です。

夫と死別し、ブリュッセルの宮廷に戻っていたクリスティーナ。

宮廷を訪れたホルバインに対し、クリスティーナは三時間だけモデルになることを了承しました。

『デンマークのクリスティーナ、ミラノ公妃』 1538年 ハンス・ホルバイン(子) ロンドン、ナショナル・ギャラリー蔵
『デンマークのクリスティーナ、ミラノ公妃』 1538年 ハンス・ホルバイン(子) ロンドン、ナショナル・ギャラリー蔵

引用元:『デンマークのクリスティーナ、ミラノ公妃』

ナショナル・ギャラリー:Christina of Denmark, Duchess of Milan

hanna_and_art’s blog の記事狂女王フアナの孫娘『デンマークのクリスティーナ』

ゴシップ系の書籍ですが、これはこれで興味深いものが

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