大好きなおだんごに、歴史の面白さが詰まってます。

寛永通宝「四文銭」登場

引用元:寛永通寳・明和期千田新田銭, 二十一波 As6022014 CC-BY-SA-4.0
江戸の庶民たちが使った「寛永通宝」。
四文銭の裏に掘られた青海波から、「波銭」とも呼ばれたそうです。
1768年の四文銭登場時、「物価上昇の原因となる」と思われ、あまり歓迎されませんでしたが、その使い易さがわかると、次第に浸透していきました。
「この四文銭の出現によって、物の値段が四文もしくはその倍数というふうになっていく傾向が見られた。」 (『江戸通になる本』 新人文庫)
たとえば、冬の甘酒は一椀八文。
大人の風呂代八文。
そば代十六文。
四の倍数ですね。
値段の代わりに物で調節する場合もあり、その例として串だんごが挙げられています。
もとは「五個刺し」だったという、串だんご。 現在スーパーなどでパック売りされているものは大体四個、ですよね。
この四個刺しスタイルは四文銭の通用とともに始まったのだそうです。

引用元:みたらし団子とあん団子 Ocdp CC-Zero
明和五年(一七六八年)に四文銭が発行されたことで、多くのものが四の倍数の値段になり、四文均一の食べ物屋台「四文屋」が登場した。
豆腐やおでん、スルメ、クワイなどを煮付け、串に刺していた。安くて手軽に腹を満たすことができ、細かな計算がいらない値付けが江戸っ子の気に入られた。
山本博文(監修). 2019-6-30. 『江戸入門 くらしとしくみの基礎知識』. 河出書房新社. p.106.
『絵でみる江戸の食ごよみ』(廣済堂出版)では川柳も紹介されています。
「団子屋もりんきほうべん四つ刺し」
「りんきほうべんは「臨機応変」で、時代の変化に対応して、だんごを五個から四個にしたという意味。
四文銭が登場した明和(1764年 – 1772年)の頃の一文は20円弱。四文は75円くらいだったそうです。
江戸の100均・ファストフードの四文屋、四文銭握りしめてお買い物に行ってみたい…。
団子を英語で説明してみる
添えられている写真のお団子が美味しそうな『カラー版 英語で紹介する日本事典』から、「団子」をご紹介します。
上新粉(米の粉)や白玉粉(餅米の粉)に水を加えて一口大に丸め、ゆでた和菓子です。いちばんポピュラーな串団子は、とろみのある砂糖醬油をつけた「御手洗団子」や小豆餡を塗った「餡団子」などにします。中秋の名月にはススキとともに月見団子を供えてお月見をします。
堀口佐知子(監修). 2013-6-30 第4版発行. 『カラー版 英語で紹介する日本事典』. ナツメ社. p.76.
まず、団子は英語で「rice dumpling」といいます。
Dango is a traditional Japanese confectionary made by adding water to joshinko (rice flour) or shiratamako (sweet or glutinous rice flour) to made dough, rolling it into bite-size balls and steaming them. The kushi dango (dango in skewers) is the most popular, and it comes in variations such as mitarashi dango, which is dango covered with a thick syrup made from soy sauce and sugar, and an dango, which is covered with sweetened azuki red bean paste. On the night with Chushu no Meigetsu (beautiful mid-autumn moon), people enjoy moon viewing with offerings of tsukimi (enjoying the moon) dango and the display of susuki (Japanese pampas grass).
堀口佐知子(監修). 2013-6-30 第4版発行. 『カラー版 英語で紹介する日本事典』. ナツメ社. p.76.
花見の時期に見かける可愛らしい三色団子。
桜、名残りの雪の白、ヨモギ色と、ここでも季節を感じることができます。

引用元:花見団子 Maakun CC-BY-SA-3.0-migrated-with-disclaimers

引用元:特製あんみつ(虎屋茶寮) jetalone CC-BY-2.0
表紙は白玉団子を食べる女性の絵。本文にも出て来ます。レシピ付き。冷たい白玉団子が美味しそう。おススメの一冊