ロココ絵画を代表する画家ブーシェの作品を観るならシュリー翼。『ポンパドゥール夫人の肖像』『オダリスク』『ディアナの水浴』『エウロペの誘拐』など甘美な絵画を楽しみましょう。
シュリー翼611展示室
『ポンパドゥール侯爵夫人』( La Marquise de Pompadour (1721-1764). ) 1750年代前半
シュリー翼611展示室 , RF 2142 La Marquise de Pompadour (1721-1764).
引用元:『ポンパドゥール侯爵夫人』
フランス国王ルイ15世の愛妾、ポンパドゥール侯爵夫人の肖像です。
ポンパドゥール夫人は画家ブーシェや彫刻家ファルコネらを庇護。セーヴル磁器製作にも尽力します。
関連記事 ルーヴル美術館にある『ポンパドゥール侯爵夫人』の肖像(ブーシェ作)
シュリー翼612展示室
『ヴィーナスの化粧』( La Toilette de Vénus ) 1749年
シュリー翼612展示室 , RF 288 La Toilette de Vénus.
引用元:『ヴィーナスの化粧』 Tangopaso
メトロポリタン美術館の『ヴィーナスの化粧』
『アムールの武装を解除するヴィーナス』( Vénus désarme l’Amour ) 1749年
シュリー翼612展示室 , RF 289 Vénus désarme l’Amour.
引用元:『アムールの武装を解除するヴィーナス』 Tangopaso
シュリー翼918展示室
『アトリエの画家』( Le Peintre dans son atelier ) 1725年 – 1730年頃
シュリー翼918展示室 , MI 1024 Le Peintre dans son atelier
引用元:『アトリエの画家』
シュリー翼919展示室
『ギデオンの犠牲』( Le Sacrifice de Gédéon ) 1725年 – 1730年
シュリー翼919展示室 , RF 1983 72 Le Sacrifice de Gédéon.
引用元:『ギデオンの犠牲』 Sailko CC-BY-3.0
『ウルカヌスにアイネイアスの武器を求めるヴィーナス』( Vénus demandant à Vulcain des armes pour Énée ) 1732年
シュリー翼919展示室 , INV 2709 ; MR 1221 Vénus demandant à Vulcain des armes pour Énée.
引用元:『ウルカヌスにアイネイアスの武器を求めるヴィーナス』
『リナルドとアルミーダ』( Renaud et Armide ) 1734年
シュリー翼919展示室 , INV 2720 ; MR 1213 Renaud et Armide.
引用元:『リナルドとアルミーダ』
1734年、この作品でブーシェは王立絵画彫刻アカデミー会員に。
モデルのアルミーダは、後のブーシェ夫人マリー=ジャンヌ・ビュゾーです。可愛いですね。
マリー=ジャンヌの姿は他の作品でも見ることができます。
『ディアナの水浴』( Diane sortant du bain ) 1742年
シュリー翼919展示室 , INV 2712 ; MN 66 Diane sortant du bain.
引用元:『ディアナの水浴』
女神ディアナが狩りを終えて水浴する場面。
シュリー翼921展示室
『昼食(朝食)』( Le Dejeuner ) 1739年
シュリー翼921展示室 , RF 926 Le déjeuner.
引用元:『昼食(朝食)』
ブーシェの家族を描いたものとも言われています。
関連記事 家族の食事風景・フランソワ・ブーシェの『昼食(朝食)』( Le Dejeuner )
『褐色のオダリスク』( L’Odalisque Brune ) 1745年
シュリー翼921展示室 , RF 2140 L’Odalisque
引用元:『褐色のオダリスク』
後宮のオダリスクを描いた作品。豊かなお尻が印象に残ります。
モデルはブーシェ夫人、ポンパドゥール夫人など諸説あり。
※レプリカの『オダリスク』( Odalisque , MNR 61 ; D 951 1)はランス美術館に寄託
『三美神』( Les trois Grâces supportant l’ Amour ) 1765年
シュリー翼921展示室 , MI 1023 Les trois Grâces supportant l’ Amour.
引用元:『三美神』
『狩りの昼食』( Le Déjeuner de chasse, esquisse ) , RF 2013 5
『ウルカヌスの鍛冶場』( Les Forges de Vulcain ) , MI 1025
シャルダン、ウードリーなど921展示室の作品を掲載
シュリー翼927展示室
『羊飼いの贈り物、または巣』( Les présents du berger ou Le nid ) 1740年頃
シュリー翼927展示室 , INV 2725 ; MR 1210 Les présents du berger ou Le nid.
引用元:『羊飼いの贈り物、または巣』 User:Jean-Pol GRANDMONT (2013)
元はルイ15世のコレクション。
「おそらく INV 2726 と対」とのことです。
『田園生活の魅力』 1735年から1740年の間
, INV 2726 ; MR 1211 Charmes de la vie champêtre.
※現在展示されていません(2024年7月)
引用元:『田園生活の魅力』
本作品とその対作品は以前からフォンテーヌブロー城のために制作された信じられてきたが、依然として制作年は確定せず、いつの時点でルイ15世のコレクションに加わったかということについては明言できない。しかし、18世紀の財産目録の中に、本作を指していると思われる個所があるため、おそらくそれ以前からヴェルサイユ宮殿に所蔵されていたはずである。
横浜美術館、日本経済新聞社(編). 『ルーヴル美術館200年展』 p.54.
のどかで平和な田園風景。上等な衣装を着けた人々が繰り広げる恋愛遊戯です。
『ウルカヌスの鍛冶場』( Les Forges de Vulcain ) 1747年
シュリー翼927展示室 , MI1022 Les Forges de Vulcain
引用元:『ウルカヌスの鍛冶場』
武器製造に長けた火の神ウルカヌス(ギリシャ名はヘファイストス)は、ウェヌス(ヴィーナス)の夫。
ルーヴル美術館の解説欄によると、この作品は1747年のサロンで展示され、マルリー城のルイ15世の寝室に飾られたということです。
『エウロペの誘拐』( L’enlèvement d’Europe ) 1747年
シュリー翼927展示室 , INV 2714 ; MR 1214 L’enlèvement d’Europe
引用元:『エウロペの誘拐』
こちらもルイ15世のコレクション。
白い牡牛に変身して近付いたゼウスに、王女エウロペが誘拐される場面。
『アイネイアスのために造った武器をウェヌスへ贈るウルカヌス』( Les forges de Vulcain ou Vulcain présentant à Vénus des armes pour Énée ) 1757年
シュリー翼927展示室 , INV 2707 bis Les forges de Vulcain ou Vulcain présentant à Vénus des armes pour Énée.
引用元:『アイネイアスのために造った武器をウェヌスへ贈るウルカヌス』
ルイ15世のコレクション。
Les forges de Vulcain は『ウルカヌスの鍛冶場』で、この作品以外にも同じ題が付けられています。
ブーシェはゴブラン製作所の所長も務め、タペストリー(タピスリー)のための下絵も描いています。
本作はゴブラン製作所で織られたタペストリーの連作「神々の愛」のモデルとして用いられた原画の一つ。
次に挙げる『愛の的』も同様で、ルーヴル美術館による『アイネイアスのために造った武器をウェヌスへ贈るウルカヌス』の解説欄に「 La Cible d’amours、INV. 2715 )」の名が見えます。
『愛の的』( La Cible d’Amour ) 1758年
シュリー翼927展示室 , INV 2715 ; MR 1219 La Cible d’Amour
引用元:『愛の的』
こちらもルイ15世のコレクション。タペストリー『神々の愛』のための原画。
関連記事 フランソワ・ブーシェによるタペストリーの下絵『ウェルトゥムヌスとポモナ』
『ウェルトゥムヌスとポモナ』( Vertumne et Pomone ) 1763年
シュリー翼927展示室 , INV 2710 bis ; B 424 Vertumne et Pomone.
引用元:『ウェルトゥムヌスとポモナ』
結婚に関心を示さない果実のニンフ・ポモナに、結婚の美徳を説く豊穣神ウェルトゥムヌス。
豊穣神は老婆に化けてポモナに近付きます。
ゴブラン織のタペストリーの下絵として描かれた絵。
関連記事 フランソワ・ブーシェによるタペストリーの下絵『ウェルトゥムヌスとポモナ』
『ケファルスとオーロラ』( Céphale et l’Aurore ) 1764年
シュリー翼927展示室 , INV 2710 ; B 428 Céphale et l’Aurore.
引用元:『ケファルスとオーロラ』 Sailko CC-BY-3.0
『森』( La Forêt ) 1740年
シュリー翼927展示室 , MNR 894 La Forêt
引用元:『森』
1740年のサロンに出品。
『水車小屋』( Le Moulin ) 1751年
シュリー翼927展示室 , RF 1962 Le Moulin
引用元:『水車小屋』
パリのオテル・ド・ロアンにあるスービーズ枢機卿の寝室のために、『橋』とともに描かれました。
『橋』( Le Pont ) 1751年
引用元:『橋』
『水車小屋』とともにオテル・ド・ロアンにあるスービーズ枢機卿の寝室のために描かれた作品。
『マフを持つ若い女性』( Jeune femme au manchon. ) 1725年から1750年の間
, MI 1026 Jeune femme au manchon
※現在展示されていません(2024年7月)
引用元:『マフを持つ若い女性』
『エリエゼルの手からアブラハムの贈り物を受け取るリベカ』( Rébecca recevant des mains d’Eliézer les présents d’Abraham ) 1725年から1750年の間
, RF 1977 15 Rébecca recevant des mains d’Eliézer les présents d’Abraham.
※現在展示されていません(2024年7月)
引用元:『エリエゼルの手からアブラハムの贈り物を受け取るリベカ』 Sailko CC-BY-3.0
画家フランソワ・ブーシェ( François Boucher, 1703年9月29日 – 1770年5月30日)
, INV 30868(グラフィック・アーツ相談室で予約して閲覧可) Portrait de François Boucher (1703-1770). )
引用元:フランソワ・ブーシェの肖像
父は布地装飾家の父ニコラ・ブーシェ(1672年 – 1743年)。
父二コラ、画家フランソワ・ルモワーヌのもとで絵画を学びます。
ローマ賞を受賞し、イタリア留学の資格を得ますが、経済的な支援を受けられなかったため、自費で留学をします。
帰国後『リナルドとアルミーダ』で王立絵画彫刻アカデミー会員になり、モデルを務めたマリー・ジャンヌと結婚しました。
後にポンパドゥール侯爵夫人となるジャンヌ=アントワネット・ポワソンとは、1741年頃顔を合わせているようです。
ポンパドゥール夫人に気に入られたブーシェは、夫人に絵を教え、夫人のコレクションに助言を行いました。
精力的に働いたブーシェはとても多くの作品を残しています。
大作の絵画だけでなく、タペストリーやセーヴル磁器の下絵、当時のオペラ座の舞台装置も手掛けました。
作品が貸し出し中、修復中などで展示されていない場合もあります。美術館のサイトをご確認ください。
『中国のタペストリー:お茶』( Le thé, de la Tenture Chinoise ) , OAR 19
オービュッソンのタペストリー( Tapisserie d’Aubusson )、ブーシェによる下絵。
セーヴル磁器の花瓶( Vase” hollandais” décoré de quatre paysages ) , OA9995
展示場所:シュリー翼、619展示室
1758年制作のセーヴル磁器の花瓶。ブーシェの下絵。