永井龍之介さん監修の書籍。マウリッツハイス美術館やエルミタージュ美術館、東京上野の国立西洋美術館も紹介されています。
引用元:『ウフィツィ美術館のトリブーナ』
世界最高の美術館と名画100
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世界最高の美術館と名画100- 監修 : 永井 龍之介
- 出版社 : 世界文化社
- 発売日 : 2023/10/18
- 単行本 : 160ページ
- ISBN-10 : 4418232192
- ISBN-13 : 978-4418232192
ルーヴル美術館ほか、パリ市内のオルセー美術館、オランジュリー美術館の主要コレクションも見ることができます。
「パリ滞在中は毎日ルーヴル美術館に通うぜ!」という場合は一冊まるごとルーヴル美術館解説本を持って行く方が良いでしょうが、他の地域にも行くという時にはこの本良いかも。
ロンドン・パリ周遊旅行ならロンドンのナショナル・ギャラリーのページも役に立つと思いますし、パリからオランダまで足を延ばすならアムステルダム国立美術館、マウリッツハイス美術館、ゴッホ美術館も掲載されているので参考になると思います。
自宅で「次はどの美術館へ行こうかな」という計画を練る際にも良いですね。
こういった「絶対見るべき名品〇〇選!」的なタイトルを見ると、「どんな作品が挙げられているんだろう」「△△先生はどの作品を挙げられておられるのか」「私が好きなXXは果してランクインしているのであろうか」と気になってしまいます。(気になりません?)
本書の監修は永井龍之介さん。『開運!なんでも鑑定団』に出演されていた方です。
骨董屋志望の私にとっては雲の上の方ですね。
その方の監修で、ルーヴル美術館のコレクションからどの作品が紹介されているのか、チェックしてみました。
個人的には、フェルメールやラファエロ、シャセリオー、ブーシェなどの作品が無かったのは少々残念でした。
他の「絶対見るべき名品〇〇選!」本とどれだけ被っているか比較してみるのも興味深いですね。
どの本でも挙げられている作品は、ほんっとうに!間違いなく!絶対!!見るべきものなんだろうな、と思いますもん。
そして入門的な書籍の次は、興味のある作品に関するものだけでも、もう少し詳しく書かれている本を探して読んでみると良いんじゃないかなと思います。
掲載されている12作品は(5から12まではちょっと小さいですが)解説が付いています。
この書籍が挙げるルーヴル美術館収蔵品12点
1.『モナ・リザ』
引用元:『モナ・リザ』
ドゥノン翼711展示室 , INV 779 ; MR 316 Portrait de Lisa Gherardini, épouse de Francesco del Giocondo, dit La Joconde ou Monna Lisa
一番に挙げられるのは、やっぱり『モナ・リザ』ですよねえ。
書籍やテレビで何度も見ているからたくさん見た気になっていても、実物を前にした時の感動が違います。
2.『ナポレオン一世の戴冠式と皇妃ジョゼフィーヌの戴冠』
引用元:『ナポレオン一世の戴冠式と皇妃ジョゼフィーヌの戴冠』
ドゥノン翼702展示室 , INV 3699 ; MR 1437 Sacre de l’empereur Napoléon 1er et couronnement de l’impératrice Joséphine dans la cathédrale Notre-Dame de Paris, le 2 décembre 1804.
思った以上に大きいな、というのが実物を見た時の印象。
ルーヴル美術館に行くなら必ず見とけ!とか、一生に一度は見ておきたい絵リストには必ず上がる作品です。
3.『洗礼者ヨハネ』
引用元:『洗礼者ヨハネ』
ルーヴル・アブダビ , INV 775 ; MR 318 Saint Jean Baptiste
こちらもレオナルド・ダ・ヴィンチの傑作。
モナ・リザとはまた違った微笑に、妖しい魅力を感じます。
4.『ガブリエル・デストレとその姉妹』
リシュリュー翼824展示室 , RF 1937 1 Gabrielle d’Estrées et une de ses soeurs
なんかショッキングな絵。
つままれた乳首に、女性たちの背後で妙に目立つ笑いを浮かべる女性と、謎が多い作品です。
フランス王アンリ4世の寵姫・ガブリエル・デストレがつまんでいるのは指輪。
5.『民衆を導く自由の女神』
引用元:『民衆を導く自由の女神』
ドゥノン翼700展示室 , RF 129 Le 28 juillet 1830. La Liberté guidant le peuple
歴史や美術の教科書で目にする『民衆を導く自由の女神』。
実物はオーラというか、迫力が違います。
ルーヴル美術館では、このロマン主義の巨匠ドラクロワの作品も多く観ることができます。
6.『グランド・オダリスク』
引用元:『グランド・オダリスク』
ドゥノン翼702展示室 , RF 1158 Une odalisque, dite La grande odalisque
古典主義の巨匠アングルによる『オダリスク』。
後宮で生活するエキゾチックなオダリスクですが、実は脊椎の数が通常より多く、解剖学的には正しくありません。
しかし、圧倒的な美の前にはそんなの些末なこと、と思えてしまいます。
7.『ホラティウス兄弟の誓い』
引用元:『ホラティウス兄弟の誓い』
ドゥノン翼702展示室 , INV 3692 ; MR 1432 Le serment des Horaces
ローマ史のホラティウス三兄弟から題材を取った作品。
ダヴィッドの弟子に『オダリスク』のアングルがいます。
8.『かんぬき』
引用元:『かんぬき』
Paris (France), Musée des Arts décoratifs-MAD , RF 1974 2 Le Verrou
ロココ期の画家フラゴナールが描く愛の一場面。
主役の恋人たちは画面中央ではなく、右に配置されています。
左側の意味あり気なカーテンやベッドにご注目ください。
9.『アルカディアの牧人たち』
引用元:『アルカディアの牧人たち』
リシュリュー翼825展示室 , INV 7300 ; MR 2339 Les Bergers d’Arcadie
フランス出身で「哲人画家」とも称されるプッサンの有名な作品『アルカディアの牧人たち』です。
古代ギリシャのアルカディア(理想郷)における「メメント・モリ」(死を忘れるな)という哲学的なテーマ。
10.『メデューズ号の筏』
引用元:『メデューズ号の筏』
ドゥノン翼700展示室 , INV 4884 ; C 51 Le radeau de la Méduse
ドラクロワの盟友であり、シャセリオーら多くの画家に影響を与えたジェリコー。
若くして亡くなった天才画家です。
叫ぶ者、死にゆく者、実際に起きたメデューズ号の事故を描いています。
11.『聖ヨセフ』
引用元:『聖ヨセフ』
シュリー翼912展示室 , RF 1948 27 Saint Joseph charpentier
幼い息子イエスが仕事をする父の手元を照らしています。
父ヨセフの眼にはこの先息子が辿る運命が見えているのかもしれない…。
画家は『いかさま師』で知られるラ・トゥールです。
12.『宰相ロランの聖母子』
引用元:『宰相ロランの聖母子』
リシュリュー翼818展示室 , INV 1271 ; MR 705 La Vierge et l’Enfant au chancelier Rolin
フランドル出身の画家ファン・エイク。
ブルゴーニュ公国宰相ロランが聖母子と同格に描かれています。