ルーヴル美術館にある『ポンパドゥール侯爵夫人』の肖像(ブーシェ作)解説

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ポンパドゥール侯爵夫人の肖像といえば、アルテ・ピナコテークにあるブーシェの肖像画やルーヴルにあるラ・トゥールの肖像画を思い起こしますよね。今回はそれらよりもう少し若い頃の肖像画をご紹介します。

『ポンパドゥール侯爵夫人』( Madame de Pompadour ) 1750年頃 フランソワ・ブーシェ ルーヴル美術館蔵
『ポンパドゥール侯爵夫人』( Madame de Pompadour ) 1750年頃 フランソワ・ブーシェ ルーヴル美術館蔵

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目次

『ポンパドゥール侯爵夫人』( Madame de Pompadour ) 1750年頃 フランソワ・ブーシェ

『ポンパドゥール侯爵夫人』 60 cm×45.5 cm 1750年代前半 フランソワ・ブーシェ ルーヴル美術館蔵
『ポンパドゥール侯爵夫人』 60 cm×45.5 cm 1750年代前半 フランソワ・ブーシェ ルーヴル美術館蔵

引用元:『ポンパドゥール侯爵夫人』

ルーヴル美術館公式サイト(お出掛け前には最新状況をご確認ください)
『ポンパドゥール侯爵夫人』 60 cm×45.5 cm 1750年頃 フランソワ・ブーシェ ルーヴル美術館蔵
『ポンパドゥール侯爵夫人』 フランソワ・ブーシェ

首にはひだ飾り、胸を魅力的に見せているドレスは造花や真珠で飾られています。

たっぷりとしたドレスの光沢や婦人自身の美しさに視線が釘付けですが、この女性の周囲には、ロココ期の優雅な曲線を描く猫足の家具、彼女の教養の高さを示す本や楽器などが配されています。

『ポンパドゥール侯爵夫人』 60 cm×45.5 cm 1750年代前半 フランソワ・ブーシェ ルーヴル美術館蔵
『ポンパドゥール侯爵夫人』 フランソワ・ブーシェ
『ポンパドゥール侯爵夫人』 60 cm×45.5 cm 1750年代前半 フランソワ・ブーシェ ルーヴル美術館蔵
『ポンパドゥール侯爵夫人』 フランソワ・ブーシェ
『ポンパドゥール侯爵夫人』 60 cm×45.5 cm 1750年代前半 フランソワ・ブーシェ ルーヴル美術館蔵
『ポンパドゥール侯爵夫人』 フランソワ・ブーシェ
 『ポンパドゥール侯爵夫人』(額装) ルーヴル美術館蔵
『ポンパドゥール侯爵夫人』 フランソワ・ブーシェ

引用元:『ポンパドゥール侯爵夫人』 Sailko CC-BY-3.0

ポンパドゥール侯爵夫人ジャンヌ=アントワネット・ポワソン( Jeanne-Antoinette Poisson, marquise de Pompadour, 1721年12月29日-1764年4月15日)

ポンパドゥール侯爵夫人ジャンヌ=アントワネット・ポワソンはフランス国王ルイ15世の公式寵姫です。

42歳で病没するまで、国王に代わりフランスの政治や外交を取り仕切りました。

ジャンヌ=アントワネット・ポワソンは1741年に徴税請負人の男性と結婚し、娘をもうけています。

フランス国王ルイ15世に見初められ、1745年に公式寵姫の地位を与えられました。

ルイ15世(1710年-1774年)の肖像 60cm×54cm 1748年 モーリス・カンタン・ド・ラ・トゥール ルーヴル美術館蔵
ルイ15世(1710年-1774年)の肖像 60cm×54cm 1748年 モーリス・カンタン・ド・ラ・トゥール ルーヴル美術館蔵

引用元:ルイ15世の肖像

ルーヴル美術館公式サイト(お出掛け前には最新状況をご確認ください)

『ルイ15世の肖像』( Portrait de Louis XV (1710-1774); roi de France. )/ グラフィック・アーツ相談室で予約して閲覧可

ルイ15世は、断絶していたポンパドゥールの侯爵位を復活させ、その領土をジャンヌに与えて宮廷に迎えました。

「公式の愛人?夫がいるのに?」と思ってしまいそうですが、公式寵姫になるには貴族の既婚女性であることが必須条件でした。

よくポンパドゥール「侯爵夫人」という表記になっていますが、実際には、夫だった人物が侯爵なのではなくジャンヌ自身が侯爵ですので、marquise de Pompadour、ポンパドゥール(女)侯爵です。

ポンパドゥール侯爵夫人は文化・芸術の庇護者でもあり、ブーシェやカルル・ヴァン・ローらを保護しました。

ディドロの百科全書、セーブル磁器などにも深く関わっています。

フランソワ・ブーシェによるポンパドゥール侯爵夫人の肖像

フランソワ・ブーシェの肖像( Portrait de François Boucher ) 1741年 グスタフ・ルンドベリ ルーヴル美術館蔵

フランソワ・ブーシェ(1703年9月29日-1770年5月30日)の肖像 1741年 グスタフ・ルンドベリ ルーヴル美術館蔵
フランソワ・ブーシェ(1703年9月29日-1770年5月30日)の肖像 1741年 グスタフ・ルンドベリ ルーヴル美術館蔵

引用元:フランソワ・ブーシェの肖像

ルーヴル美術館公式サイト(お出掛け前には最新状況をご確認ください)

『フランソワ・ブーシェの肖像』( Portrait de François Boucher (1703-1770). )/ グラフィック・アーツ相談室で予約して閲覧可

ロココ期を代表する画家の一人フランソワ・ブーシェ(1703年9月29日-1770年5月30日)。

後にポンパドゥール侯爵夫人となるジャンヌ=アントワネット・ポワソンとは、1741年頃顔を合わせているようです。

ブーシェはジャンヌに絵を教え、彼女の相談役として美術コレクションへの助言もしています。

『褐色のオダリスク』( L’Odalisque Brune ) 1745年 フランソワ・ブーシェ ルーヴル美術館蔵

『褐色のオダリスク』( L’Odalisque Brune ) 1745年 フランソワ・ブーシェ ルーヴル美術館蔵
『褐色のオダリスク』 1745年 フランソワ・ブーシェ ルーヴル美術館蔵

引用元:『褐色のオダリスク』

ルーヴル美術館公式サイト(お出掛け前には最新状況をご確認ください)

『褐色のオダリスク』( L’Odalisque. )/ 展示場所:シュリー翼、921展示室

ルーヴル美術館には他にもブーシェの油彩や素描が収蔵されています。

『ポンパドゥール侯爵夫人』( Porträt der Madame Pompadour ) 1756年 フランソワ・ブーシェ アルテ・ピナコテーク蔵

『ポンパドゥール侯爵夫人』( Porträt der Madame Pompadour ) 1756年 フランソワ・ブーシェ アルテ・ピナコテーク蔵
『ポンパドゥール侯爵夫人』 1756年 フランソワ・ブーシェ アルテ・ピナコテーク蔵

引用元:『ポンパドゥール夫人』

貴族の女性が本など読まない時代に、書物を友としたポンパドゥール侯爵夫人の知性と教養、魅力を描き出した傑作。

室内には本棚があり、机にはペンなど書き物のセットがあります。

『ポンパドゥール侯爵夫人』( Portrait of Jeanne-Antoinette Poisson, Marquise de Pompadour ) 1758年 フランソワ・ブーシェ ヴィクトリア&アルバート美術館蔵

『ポンパドゥール侯爵夫人』( Portrait of Jeanne-Antoinette Poisson, Marquise de Pompadour ) 1758年 フランソワ・ブーシェ ヴィクトリア&アルバート美術館蔵
『ポンパドゥール侯爵夫人』 1758年 フランソワ・ブーシェ ヴィクトリア&アルバート美術館蔵

引用元:『ポンパドゥール侯爵夫人』

こちらの肖像画でも本を手にしています、そして足元にはやはり薔薇が置かれていますね。

『ポンパドゥール侯爵夫人』( Portrait of Marquise de Pompadour ) 1759年 フランソワ・ブーシェ ウォレス・コレクション蔵

『ポンパドゥール侯爵夫人』( Portrait of Marquise de Pompadour ) 1759年 フランソワ・ブーシェ ウォレス・コレクション蔵
『ポンパドゥール侯爵夫人』 1759年 フランソワ・ブーシェ ウォレス・コレクション蔵

引用元:『ポンパドゥール侯爵夫人』

『ヴィーナスの化粧』( The Toilet of Venus ) 1751年 フランソワ・ブーシェ メトロポリタン美術館蔵

『ヴィーナスの化粧』( The Toilet of Venus ) 1751年 フランソワ・ブーシェ メトロポリタン美術館蔵
『ヴィーナスの化粧』 1751年 フランソワ・ブーシェ メトロポリタン美術館蔵

引用元:『ヴィーナスの化粧』

メトロポリタン美術館による解説(日本語)はこちらです。

『ヴィーナスの化粧』はポンパドゥール侯爵夫人によって注文されました。

ヴィーナスのモデル(顔)はポンパドゥール侯爵夫人といわれています。

(ブーシェのヨイショを感じますね)

ポンパドゥール侯爵夫人はブーシェが描く肖像画を気に入っていたとの話があります。

ナットクです(^^)。

成熟した1750年代後半のポンパドゥール侯爵夫人の肖像画からは「国王に代わって国政に携わっている」という自負、自信さえ感じられますが、1750年頃描かれたという『ポンパドゥール侯爵夫人の肖像』には瑞々しく溌剌とした美しさが溢れているように見えます。

アルテ・ピナコテークが所有する肖像画やモーリス・カンタン・ド・ラ・トゥールによる肖像画があまりにも有名で、この若い頃のポンパドゥール侯爵夫人が紹介される機会はあまり多くないように思えます(気のせい?)。

下の書籍はシリーズ(1986年刊)の6冊目、大型本ですが、今回の絵が 1ページ割かれて掲載されています。

ただ、1冊買うと全巻揃えたくなるよねとか、1冊でも重いよね嵩張るよねとかですね…。

私は全巻持っていますが、いったんしまってしまうと、取り出すのに勇気と労力と再び戻す覚悟が要ります。

でもこの時代の絵画が好きなら持っていても後悔しない、かも。

クリックまたはタップするとAmazonのサイトに移動します。

フランス芸術の華 ルイ王朝時代 (NHK ルーブル美術館)

Amazon で見つけてしまった『ポンパドゥール侯爵夫人』の複製画。

シリーズを見ている内に、ある絵が欲しくなりました(笑)。そのうち買おうかな、と計画中(^^;。

こちらは参考までに。

『ポンパドゥール侯爵夫人』の複製画

『ポンパドゥール侯爵夫人の全身像』( Portrait en pied de la marquise de Pompadour ) 1749年から1755年の間 モーリス=カンタン・ド・ラトゥール ルーヴル美術館蔵

『ポンパドゥール侯爵夫人の全身像』( Portrait en pied de la marquise de Pompadour ) 1749年から1755年の間 モーリス=カンタン・ド・ラトゥール ルーヴル美術館蔵
『ポンパドゥール侯爵夫人の全身像』 1749年から1755年の間 モーリス=カンタン・ド・ラトゥール ルーヴル美術館蔵

引用元:ポンパドゥール夫人

ルーヴル美術館公式サイト(お出掛け前には最新状況をご確認ください)

こちらはパステル画の名手と呼ばれた画家モーリス=カンタン・ド・ラトゥールによる肖像画です。

ここでもポンパドゥール侯爵夫人の側には書物や地球儀、楽器、絵の道具(カルトン)などが見られますね。

42歳という若さで亡くなってしまった女性ですが、贅沢な生活を送るなどの「負」の側面より、フランスに大きな芸術の華を咲かせた功績の方が印象に残ります。

『西洋絵画の歴史 2 バロック・ロココの革新』

バロック芸術からロココ芸術の流れ、ブーシェやフラゴナールについても解説されています。『ヴィーナスの化粧』『ポンパドゥール侯爵夫人』(1756年)や他の絵画もカラーで掲載されていますし、気軽に読めて教養が身につくお得な一冊ではないかと思います。

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